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受験を通して子育てで苦労すると、2025年9月10日

 受験を通して子育てで苦労すると、親の非認知能力が高まる

 たとえば幼いタイプの子がいたとします。時期的に今が年長の4月だとします。志望校は幼稚舎と早実と成蹊と桐朋です(やれやれ。最難関校ばかりですね。併願校も考えて、しっかり準備を始めましょうね)。素直で良い子なんですけれどねぇ、だれが見ても行動面で幼い。
 その子のどういう面が幼いのか、それは子どもによってケースバイケースですが、たいていの場合、ママまたはパパの子育てが幼いことに起因しています。
 なにかのきっかけで「あ、ここだ」と私が気づく時があります。その場合、「さっき○○の時にママはすぐに手を貸していたように見えましたけど、どうでした?」といったように、直接の原因をピンポイントで指摘するのではなく、状況を再現して自分で問題点に気づけるように話し始めます。

 というのは高学歴で認知能力の高い人は、ひとつしかない解答に、早く正確に辿り着く能力が高いのですが、それって受験の赤本(過去問集)攻略の方法と同じだからです。
 人生や子育てでしばしば起きる問題の、たった一つではない解答や、さまざまな可能性を示す複数の解答を導くためには「拡散思考」を磨き上げる必要があります。
 つまり、難問にぶち当たった時、赤本の後ろのページにアクセスしてすぐに解答を得る、ということでは子育てのスキルは伸びやしないのですよ。
 トライアンドエラーも必要です。どの解決策や改善策がわが子にヒットするかなんて、やってみて、わが子の反応を観察して、結果を検証してみて初めて、「あ、うちの子にはこの方法が合うんだ」とわかるからです。

 というわけで、私もすぐにママに解決策を教えることはありません(改善策のヒントは山ほど教えます)。自分で悩まずに、すぐに解答を出してもらえるならば、何かあったらすぐ理事長先生のところへ行けばいい、となっちゃうじゃないですか。それじゃダメ。まずママが自立しないと。

 それともう一つ、簡単に教えてもらった解答って、ありがたみがないんです。「あーそうか、そんな解決法があるんだ」程度で、聞いただけで終わり、改善を実行しないということもしょっちゅうです。だから、子育ては苦労しないとスキルとして身につかないんです。

 何かしら起きた問題を前にして、先延ばしにしたり逃げたりしたら、その時は逃げおおせても、形を変えてまた似たような問題として天から降りてくるんです(神さまって、ほんとによくお見通し)。
 ですから覚悟を決めて、解決することですね。そして一度解決したら、同じ問題はもう天から降りてきません。でも、他の分野の新たな問題が次に降りてくるんですよね。それ、子育ても人生も同じです。ですから、経験の豊富な人って、非認知能力が高いのです。問題の解決能力が高いからです。

 わが子の子育てを通して、親の非認知能力も上がります。だからこそ、散々苦労することに意味があるんです。手のかかるわが子が抱える問題を一緒に苦しんで、天を見上げて頭を使って、次々に降り注ぐ問題をひとつひとつ丁寧に向き合って解決して行ってください。
 そうやってわが子と一緒に成長してきたパパやママを、小学校が入試で落とすわけがないじゃないですか。妙ちくりんな教室に預けっぱなしでわが子をペーパー漬けにして、家でのお手伝いも教えず、子育てを半分しかやらずに受験を迎えた親とは全然違いますよ。
 どうぞ「輝くパパ、ママ」に育ってください。応援していますよ。

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