「道」というものは2025年8月6日
「道」というものはどこかの目的地に続く道です。人生に目標をもつ人は、そこに辿り着くまでの道でもあります。
これは趣味にも当てはまることです。たとえば剣道。剣士として歩み始め、素振りを習い、型を一つ一つ覚え、練習を繰り返し、徐々に熟達していき、段を取得し、というように趣味で始めた剣道がひとつの形となって人に備わっていく行程はまさに「道」です。
受験にも「受験道」があります。次編で解説しますがその前に。趣味には「骨董」という分野があります。車、時計、陶器、楽器、などなど…。新品で手に入る物なのに、特定の時代にしか作られなかった時代物、というものになぜか惹かれてしまうことがあります。ヴィンテージの世界ですね。趣味の物でも新品で定価が決まっているものであれば難はないのですが、ヴィンテージであればその年式、その仕様、色、などさまざまに自分のこだわりを投影します。希少度が価格を吊り上げることも多いです。
まず気に入った物に出会ったら、その場で押さえないと二度と巡り合えないし手に入らない、ヴィンテージの逸品はそういった魔性の魅力を放っています。
ヴィンテージの品物を手に入れる際、コンディションと値段に文句を言っていたら、絶対に手に入りません。
「もう少し程度がよければ買うのにな」とか「あと5%安ければ買うのに、店主が負けないからな」と文句だけ言って買わない客を、私はヴィンテージの専門店で半世紀見てきました。若い奴が言うならまだしも、結構な年齢の壮年者が口にすることも多く見ます。
注文を付けるだけの奴という輩(客ではない)は一定数います。ヴィンテージショップのオーナーも心得ています。別に金持ち以外は相手にしない、という意味ではありません。
イソップ寓話のキツネですね。注文ばかりつけるキツネは、たぶん注文を付けることが趣味であって、本心からブドウを手に入れたいわけではない、と私の年齢になると達観するようになります。
無駄な出費に思えようが、無謀な賭けに見えようが、勝負するときは勝負する、この漢気がないと趣味でも勝てないのです。
コンディションがイマイチだな、と思っても妥協できる落としどころがあるならば、まず手に入れる(購入する)。さらに良いものが見つかったらば買い替える。この繰り返しで頂点を目指すんです。これがコツです。これ以外に頂点を極めたコレクターはいません。みーーーーんな、結構な授業料を払ってきているんです。
そして、ここが一番重要なところなのですが、「早く気が付いた人が勝ち」なんです。市場価値が形成され、固定化される前にその価値に気づいて手に入れた人が勝つんです。
一例を挙げます。ロレックスという時計のブランドがあります。有名です。超人気です。それでも世界3大高級時計ブランドではありません。世界で最もステータスの高い時計の3大ブランドは、パテックフィリップ (Patek Philippe) とオーデマピゲ (Audemars Piguet) とヴァシュロン・コンスタンタン (Vacheron Constantin) です。
それでもロレックスの人気は絶大です。私は時計の趣味がありませんが少し知識があります。大人気ロレックスの腕時計の中でもさらに一番人気なのは「デイトナ」です。中でも60年代から70年代にハリウッド映画で大スターだったポ-ル・ニューマンが愛用した同モデルは、ヴィンテージロレックスの中でも最高額です。
私の記憶では1993年に店頭価格が約200万円で手に入ったポ-ル・ニューマンモデルが(欲しかったがお金がなかったので買えずに覚えています)、今では億を超えた値段になっています。つまり、早くその価値に気づいて手に入れた人が勝者です。
世の中の多くのセオリーって同じですが、要領は受験も同じ。小学校受験ならばなおさら、です。つづく