信頼の指導50年。慶応幼稚舎・早実・慶応横浜初等部への受験合格に向けてご家庭を強力にサポート。

　先週よりつづき
　私がめまいに苛まれた原因は要するにただの風邪なんですよ。ところがですね、インフルエンザとか、もっと症状が重いにもかかわらず動ける病気ならまだいいんです。天井が回るともう、歩けないんですよ。それどころか強い不快感、吐き気が絶えず、寝返りを打つだけでも地球の自転と反転しちゃうというありさまです。
　もちろん食事など喉を通りません。大事なのは水分補給ですよね。寒気も強いくせに、ものすごく発汗しますし。ところであなたのお家に経口補水液の買い置きってあります？　災害時の備蓄として「水」のペットボトルはあっても、ポカリスエットはなかなか家庭に置いていないでしょう？　しかもこういう状態の時は一日500㏄のペットボトルで10本ぐらいは消費しますよ。当人は歩けないんです。起き上がることも困難です。脱水している上に、ほぼ発汗してしまいますからトイレに行く必要もないほどなのですが。さあどーする？

　本気で想像してみてくださいね、夫婦仲の悪い方、子どもに懐かれていない親御さん。そして独身の方。
　妻を邪険に扱っているご主人、たぶんあなたの奥様は、多少の頭痛や体の不調の時も、家族の夕食を用意してくださっているかもしれません。体がつらい様子も見せずに。ところが多くの夫というものは、ちょっとでも体が不調だと、大げさに訴えがちではありませんか？　そんな自覚はありませんか？　妻に聞いてみますか？　もしもそうだとしたら、なぜそうしがちなのですか？　うんと遡って熟考してみると、幼児期から青年期、果ては結婚するまで、あるいは今に至るまで、生家の母に頼り切っていた、いやいや甘やかされて過保護にされてきたから、なんてことはございませんか？　
　もしかしたら、夫婦仲があまりよろしくないのはその辺りから生じるあなたの言動に原因がある、などということはございませんか？　

　お母さま、今わが子を（特に息子を）上記のように子育てをしているかも、などという自覚はございませんか？　わが息子が先々妻をめとり、新たな家庭を築こうとしている時に夫婦間係に重大な齟齬を生じさせる、などという可能性を省みる必要はございませんか？
　そういった下地があると、万一わが子が病気で伏せた時に、連れ合いが親身に看病してくれない可能性がありますよ。
　そしてあなたたちが、うるさいだけで頼りにならない親だったとしたら、どうでしょう？　わが子は親がまさかの時に、看病をしようという奇特な子に育てていますか？

　さて、さらに申すならば独身主義の方。結婚を強要するほど野暮な私ではございません。どうぞご自由に。きっとあなたは自由を愛し、束縛を嫌い、自分に責任を持ち、将来にも万全に備えていることでしょうし、いざとなりゃ公的援助があるなんて思いもよらないでしょうし、そもそも誰かを頼りにするという発想もないほど我慢強い人でしょう。
　でもね、本当に体が瞬時に動かなくなったりしたら、どうします？　心筋梗塞や脳溢血や、風呂場で転倒したとか。この際いやなことを思いっきり想像してみましょう……。
　ですから、結婚していなくても同居人がいたり（同性でも）、シェアハウスにいたり、非常事態でも動けなくても、それが伝えられる環境は確保しておいた方がいいです。遠く離れた家族は駆けつけることができません。
　「頼りになる友人がいるから大丈夫」などという妄想はやめた方が無難です。頼りになるはずの友人だって、人生の勝負をかけたデートの最中であったなら、あなたにとっての非常事態の電話など、きっとスルーされるはずですから（告別式で落涙とともに詫びを入れられてもねぇ）。連続おわり