改めて、中学受験をするメリットは何か?2025年5月17日
改めて、中学受験をするメリットは何か? 積極的な意味や動機はさまざまですが、私は次の三点に集約されると思います。
一、絶対にわが子は将来東大に行くのだ!という明確な目標が父母にある場合。
二、必ずわが子を医者にするのだ、という明確な目標が父母にある場合。
三、早慶などの付属中学に入れて、なるべく早い段階で学歴競争に決着をつけたい、という強い思いを父母がもつ場合。
一、二の場合、私立の中高一貫校で高い進学実績を誇る学校に合格し入学し、大学受験準備の実践をすることが目標達成に近いと思います。
具体的には中3、あるいは遅くとも高2までにすべての受験科目を最低3周巡り、弱点を補強し、高3時には演習で鍛え上げて、受験力を合格A判定まで持ち上げる作戦ですね。いわゆる御三家、新御三家中学です。
それに次ぐ偏差値レベルの高い中高一貫校も含まれます。国立の最難関中学も含まれます。いずれにせよ大学受験が最終決戦である、という明確な目標があります。
三の場合、早慶合格には届かなかったけれど、大学受験を避けるために大学付属中学であれば進学を決める、という家庭も少なくありません。
私は消去法で考えると、私は上記の3つ以外に中学受験をするメリットを感じません。
中学受験を志す家庭の多くは公立小(国立を除く、いわゆる区立小、市立小のこと)に在籍する児童と親になると思います。
すでに私立小に通い中学受験を志す人は、聖徳学園小、宝仙小、国立学園小など、初等教育の環境が整い、中学受験をする準備が整う私立小に在籍する児童。あるいは洗足学園小、さとえ学園小などなど、付属または系列の中学があるけれども、あえて別の中学を目指すという家庭層、そして昭和女子大学付属小や晃華学園小など、女子は付属の女子中に進学するが、男子は外部受験をする必要がある場合です。
話を元に戻すと、中学受験をすると決定したとして、それでは小学校はどうするか、についても考察は必要でしょう。
中受をするのだから小学校は私立に行く必要はない、という考えもあります。教育にコストパフォーマンスの話を持ち出すのは気が引けますが、私はわが子の一生の問題として考えるときに、最初から私立小進学への可能性を外すのはどうでしょう? 考慮してみてはどうですか、と一言申し添えます。教育環境をどのように整えていくかという問題ですから。費用のことを考えれば国立小という選択肢もあるのですから。
良い小学校の条件はさまざまにあります。私は幼児期から小学生の学童期に、特に大切に考えたいことは、わが子をどのような環境で育てるかということです。
落ち着いた環境、わが子が学びやすい環境はすべての児童にとって望ましいことでしょう。私立小学校に進学するのは、親がわが子のために「整った学びの環境を買う」ということだと私は考えています。