慶応会の会員さんは2025年7月16日
慶応会の会員さんは2004年以降、小学校受験で全滅した不合格者はひとりもいない、という理由は前回お伝えした通りです。つまり親はトレーナーとしてわが子と一緒に日々のトレーニングをする、ということ。
小学校受験全体の作戦を立てるのは監督(それは理事長である私と助監督役の室長)、そしてペーパーや運動、絵画制作など、わが子の長所を伸ばし、短所を小さくするために個人指導をする先生がコーチ役を担うと、役割を分けるということです。
親が自分の欲目にくらんで、荒唐無稽な計画を立てて、まったくわが子に合わない方法や手段を押し付けて受験準備を進めた結果、親子ともに精神がおかしくなりそうな状況になるなんてことは頻繁に起きがちなんです。それはダメだとわかっていてもやりがちなんです。
特にわが子の「持って生まれた資質」を完全に無視して、親が熱烈に志望する学校を目指して、わが子を作り替えようとすることは大きな問題です。
慶応会ではこう考えます。だいたい入会の時点で、大きなくくりとして親の第一志望、第二志望は決まっていることが多いです。私は目の前の幼児をよく観察し、この子が持っている長所は何だろう? と長所をまず発見するように努力します。短所はその後の指導で、特に幼児はどんどん成長し変わっていきますからね。
そして親の希望は家庭の夢ですから、決して否定することはありません。たとえその希望が火星に行くより遠くても私は最大限応援します。事実、毎年木星まで到達しちゃう子がいますからね。
応援するとは、その子の内に秘めたる部分を観察し、志望校と少しでも親和性が高そうな部分を強化していくことです。親御さん自身が、その学校とはちょっと適性が合わないのでは? という場合も特訓して志望校と親和性が高まるように努力していただきます。面接や願書の特訓ばかりでなく、子育ての内容を含めて生活指導ですね。
そして、このファミリーとこの子には、この学校に適性があるな、と思われる学校は必ず受験してもらいます。
「親はわが子の適性を見抜けない」これも真実です。どうしても親の欲目のフィルターを通してわが子を見ますから。だから信頼できる監督・助監督・コーチのアドバイスが必要なんです。適性が合えばわが子は必ず合格できます。「全落ち」は親の責任です。そして全落ちは、そうならないように子どもと親の適性を見抜き、適切なアドバイスをしなかった教室の責任です。
私が一番大事に考えるのは、わが子が近い将来、思春期、反抗期を迎えた時、それを乗り越えた時、その最中であっても、「親の愛を信じて育つ子」であることです。パパやママが大好きな子に育つこと、これがファミリーにとって一番大事なことだと私は信じています。
適性が合えば必ず小学校は合格できます。適性が合う学校に進学できればわが子は必ず幸せになれます(幼稚舎じゃなくちゃ親は幸せになれない、なんて寝言を言っていたら神さまに見放されますよ)。その笑顔を見れば、親は必ず幸せになれます。
そのために何が必要か? わが子はいつか伸びる。きっと伸びると信じて、わが子と一緒にトレーニングをすることですね。させるんじゃなくて、一緒にするのですよ。