人に迷惑をかけてはいけない、2025年7月2日
人に迷惑をかけてはいけない、というのは子どもへのしつけの基本条項でしょう。特に日本のように都市部で人口が密集し、隣の人との距離が近いところでは、近距離の人の言動は気にせずとも目に入ります。
「多様性を認める」時代を迎え、他人の自由に寛容にならなければならないと、規律を自らに求める人にとっては迷惑でしょうがない事態になっています。
私は他人の自由を認める者ではありますが、音に対しては少し敏感な方です。一例を挙げると、今、家の近所のDOUTORで原稿を書いているのですが、パソコンはキーボードのタッチで音がうるさくない機種を選んでいます。隣の人に「ちょっと静かに打っていただけませんか」とか言われないように(新幹線の車内でこの件で車掌さんに注意されたことを懺悔した女性キャスターは、私の級友で、結婚式で司会を買って出てくれた人です)。
ところが私の二つ離れた席では、パソコン画面でリモート会議を行う若い社員がいます。うるさいです。せめて声のボリュームは、周りへの配慮として抑えた方がスマートなのにな、と思います。今時はJRや地下鉄の構内にもそれ用のブースがあります。そういう所へ行けばいいのに、と思います。なんとなく、「リモートで会議やってる俺エライ」的なオーラを発しているのを感じると、「その前にスーツと靴のデザインがちぐはぐだぞ、センスも磨けよ」とエールを送りたくなります、オヤジとしては。
道を歩くと、虚空を見ながら独り言をしゃべりつつ近づいてくる人がいます。ワイヤレスのイヤホンで携帯電話会話をしているようですが、決して小気味の良い光景には見えません。自転車に乗りながらイヤホンで音楽を聴いている人、事故を招きます。狭い路地の真ん中を、同様にイヤホンで音楽を聴きながら歩いている人、背中に迫る車に気づかず、私は辛抱強くクラクションを鳴らさずに30メートル、後ろをついて行くことがたまにあります。
世代間の偏見と狭量な価値観のせいで、若い世代はオヤジたちに文句があるでしょうし、私からしたらやはり受け入れがたい若い世代の新常識もたくさんあります。私よりさらに上の世代は圧倒的に人数が多いですし、彼らが築いたオヤジ帝国の常識や判断や言動や、それらすべてはパワハラとして若い世代から、晩節の存在を葬られるほどの逆襲を受けています。
「法の不遡及の原則」というものがあります。原則として法律は現時点より先に向かってのみ適用され過去にさかのぼって適用されることはない、というものです。一例でいうと、今ではパワハラに該当するけれども当時は当たり前だったよな、ということには原則として適用されないということです。
そんなことを言ったら、昔の教師は鉄拳を振るうのが当たり前で、生徒なんかぶん殴って間違いを正したもんだ!なんていう暴力教師は全員老後を刑務所で暮らすことになります。国民の利益になる場合は不遡及を除外するなどの法律上の例外もありますが。
私としては世代間ギャップで日々疎ましく感じることは、ショップやカフェなどでのタッチ決済です。クレジットカードでのタッチ決済のスピードと簡便さから導入されたシステムだと思いますが、今時は手続きが果てしない!まず、携帯電話の画面を広げ、なんとかカードの画面から読み取り決済を行いますが、何度やっても決済できない。じゃ別のなんとかカードを広げ~、そうするとお店のクーポンの画面をもう一度広げて~、MサイズからLサイズへの増量サービスをして~、認証してポイントをためてから~、いつものカードが承認されなかったから~いつもは使わないなんとかカードの画面を広げ~、ピッ!ここまで120秒。
「アイスコーヒー頼むだけだろ。いつまでやっとるんじゃー!」とイラつくのも大人げないとはわかっちゃいるけどね、こっちは残り時間が少ないんだよ、早くしろー!