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理事長通信

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前回よりつづき 人生100歳時代のおめでたいお話がなかなか展開しませんが、つづきです。2024年1月24日

 前回よりつづき
 人生100歳時代のおめでたいお話がなかなか展開しませんが、つづきです。今は昔の話となりましたが、石井ふく子と言えば時代を代表する名プロデューサーです。彼女に才能を見出された私の親友の母である、シナリオライターのゴマちゃんも幸運な人でした(高村美智子さんでしたね)。
 傍から見ても、テレビの一時代の片翼を担ったコンビであったと思います。私は母を亡くして以後、生前の母を頻繁に見舞い、何かと助力を惜しまず尽くしてくれた彼女の恩義に報いるため、私にできる事として、何かにかこつけ顔を出したり花を届けたりということをしております。
 なんだか彼女の余命に灯を捧げるような動機で私が動いていたのですが、とんでもございません。
人が生きる気力を得た時、新たに生まれ変わるほどの生命力を発揮するものだと驚愕しております。

 それはこのような経緯によるものです。つい最近、石井ふく子プロデューサーと高村美智子ライターが、1980年代に放映された自らの番組がCS放送だったかで再放送されたそうです。
 そしてその番組を石井さんが高村さんに告知し、「御覧なさいね」と告げたということです。そして数週間に渡る放送を、それこそ数十年ぶりに見返した高村さんに「どうだった?」と感想を求めたそうです。
 高村さんは思うところがあり、今の年齢で考えるならば、創作当時には思いもよらなかった考えが浮かび、それは人として齢を重ねることで得た新たな知見や経験により深まった叡智をもって見返すと、自分の至らなさ、達観に至る前の心のもがき、葛藤、苦しみ、それらの不十分さに頭を抱える思いがしたようです。
 そして当時は未熟だった自分が、人生を振り返る年齢に達してこそ初めて書ける境地に達したと、覚醒を得たのでしょう。
 老シナリオライターが、「私、書くわ、新作を」と自らを動かしたようです。
 石井ふく子プロデューサー97歳、高村美智子シナリオライター93歳でございます。新作の配役はすでに決まり、実際に2月から撮影に入る、ということのようです。
 どうです、すごくないですか? 私など若干精神面で老け込んでいた自分を心から恥じる思いです。ここですごいのは、さすがの敏腕プロデューサーです。もうすでに引退しているライターを生き返らせてしまったことです。つづく

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