12月出版の拙著8作目より一部抜粋です④2025年12月3日
前回より続き
というのは高学歴で認知能力の高い人は、1つしかない解答に、早く正確に辿り着く能力が高いのですが、それって受験の赤本(過去問集)攻略の方法と同じだからです。
人生や子育てでしばしば起きる問題の、たった1つではない解答や、さまざまな可能性を示す複数の解答を導くためには「拡散思考」を磨き上げる必要があります。
つまり、難問にぶち当たったとき、「赤本の後ろのページを開いてすぐに解答を得る」ということでは、子育てのスキルは伸びやしないのですよ。
「Hey Siri!」なんて生成AIに頼ってどうするんですか。ChatGPTも解決してくれません。子育てって人間の叡智の結集ですよ。そんなの「おむつかぶれしたときに最適なパウダーはどれ?」程度の問いの答えしか出てきません。
トライ・アンド・エラーが必要なんです。どの解決策や改善策がわが子にヒットするかなんて、やってみて、わが子の反応を観察して、結果を検証してみて初めて、「あ、うちの子にはこの方法が合うんだ」とわかるからです。
というわけで、私もすぐにママに解決策を教えることはありません(でも改善策のヒントは山ほど教えますよ)。自分で悩まずに、すぐに解答を出してもらえるならば、何かあったらすぐ理事長先生のところへ行けばいい、となっちゃうじゃないですか。それは最後の手段。まずママが自立しないとね。
それともう1つ、簡単に教えてもらった解答って、ありがたみがないんです。「あーそうか、そんな解決法があるんだ」程度で、聞いただけで終わり、改善を実行しないということもしょっちゅうです。だから、子育ては苦労しないとスキルとして身につかないんです。
そしてこれが人生の真実なのでお伝えします。何かしら起きた問題を前にして、先延ばしにしたり逃げたりしたら、そのときは逃げおおせても、形を変えてまた似たような問題として天から降りてくるんです(神さまって、ほんとによくお見通し)。
ですから覚悟を決めて、解決することですね。そして一度解決したら、同じ問題はもう天から降りてきません。でも、他の分野の新たな問題が次に降りてくるんですよね。それ、子育ても人生も同じです。ですから、経験の豊富な人って、非認知能力が高いのです。問題の解決能力が高いからです。
わが子の子育てを通して、親の非認知能力も上がります。だからこそ、散々苦労することに意味があるんです。
手のかかるわが子が抱える問題を一緒に苦しんで、天を見上げて頭を使って、次々に降り注ぐ問題を一つひとつ丁寧に向き合って解決して行ってください。
そうやってわが子と一緒に成長してきたママやパパを、小学校が入試で落とすわけがないじゃないですか。どうぞ「輝くママ、パパ」に育ってください。応援しています。2回続き終わり



















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