いよいよ、9月17日に拙著新刊「書き込み式合格ノート」が発売となります。2016年9月14日
いよいよ、9月17日に拙著新刊「書き込み式合格ノート」が発売となります。
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印刷所から慶応会に直送された本は、すでに会員さんにお渡ししています。
前回に続き、今の時期、年長受験生にとって大事なことをお伝えします。
■わが子は受験するたびに成長する
本番の入試を経験して、わが子は試験の何たるかを体で知るのです。今まで何度も受けてきた模擬テスト、時には何百人と集まるテストに参加したことがあったとしても、たった1回の本番の入試に勝るリアリティはないのです。
「これが本当の試験なんだ」と必ずわが子は理解するはずです。
そして、エンジンがかかるのが遅い子にとって、10月校の受験経験はとても一回一回が大切な試金石となります。
慶応会での経験でも、子どもたちが本番の体勢になるまでに、最低2校、平均3校かかります。
それがわかるのが、「今日の試験はなにが出た?」という質問です。1校目の試験の時は、よく内容を覚えていない子どもがほとんどです。
ところが2校目で急に記憶が正確になってきて、3校目にはほぼ完ぺきに出題内容からなにまでを記憶している状態になってきます。
「あまり何校も受験すると、かえって適度な緊張が保てず、本人の気持ちがたるんでしまうのではないですか?」という相談も受けたことがあります。実際にそういうこともあるでしょう。それはお子さんの個性によります。
また、「合格したことをわが子に知らせるかどうか?」も正解が一つではなく、子どもによって答えが違います。
自己評価があまり高くなく自信がもてない子の場合、一つの合格と、お母さんがとても喜んでくれたことで自信を身につけ、第一志望校の合格まで一挙に突き進んだ例もあります。
逆に、合格を知らせた結果、あまりのうれしさと緊張感の途切れから、その後の受験の調子を崩した例もあります。
■最大のメリットは「わが子がどういう子かがわかる」ということ
「わが子は緊張して本番で力を出せない子だと思っていました。ところが、面接でも実に堂々と受け答えができ、見直しました」というお母さんの声もあります。
お母さんは、ぎりぎりの精神状態になったときのお子さんを、果たしてどのぐらい正確に把握しているでしょうか?
学校へ行き、教室で待機し、試験場へ送り出す、その最後の最後の仕上げの際に、わが子をどう送り出せばいいか? どのように声をかければわが子が最高のパフォーマンスを発揮するのか?
わかっていますか?
それがこの10月校で把握できるのです。
「あんなに活発で元気なわが子なのに、試験の時の極度の緊張で顔がこわばる子であったとは……」ということも起こり得るのです。
両手を握って「だいじょうぶよ、楽しんでいらっしゃい」と送り出してやると、いつもの元気なわが子になれるのか?
「もう後がないのよ!」と追い込むと、わが子は眠っていた力を爆発的に出すのか?
そのデータがとれるのです。
大事だなぁ、10月校。
合格を知らせた方が調子の出せる子なら、合格通知が届いたときに、思い切りお母さんは喜んだ表情を見せてあげてください。
それを見てわが子は安堵するのです。「よかった、お母さんがよろこんでくれた」と。
わが子って、なんて健気なんでしょう。しっかり抱きしめてあげてね。お母さんのためにがんばったのですから。 (二話連続 おわり)