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理事長通信

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5月に入って、私は白麻のスーツで受験生とお母さまを教室でお迎えしています。2022年6月1日

 5月に入って、私は白麻のスーツで受験生とお母さまを教室でお迎えしています。理由は、子育てに熱心なママ、特に受験を3か月後に控えた年長のママたちは、なかなか多方面で進捗しないわが子と向き合い、もう頭は沸騰寸前です。沸点が近いことは傍から見ても明らかですから、せめて少し涼し気にお迎えしようと思い、昨年白麻のスーツを新調した、というわけです。
 私が子どもだった頃の記憶をたどると、60代の老紳士は夏に白麻のスーツを着て颯爽としていました。パナマ編みのボルサリーノも目深にかぶっていました。そこに黄色の強いべっ甲の眼鏡とくれば三者揃い踏みのザ・ダンディでしたね。
 対極は爺さんの縁台での夕涼みですね。浴衣を袖まくりして足元には蚊取り線香が渦巻いてケムを巻いている、なんてぇのは落語の世界ですね。そこへ麻絽の着物の爺さんが扇子ではたはたとはたきながら行き過ぎる対比なんて、どっちも粋なもんです。
 なかなかそういった境地には辿り着けませんねぇ。私の修行が足らないのでしょう。何の修行かって? 人生の酸いも甘いも、ってところでしょうね。
 理屈をつけて洒落こもうってところがダメなんでしょうね。とにかく、年を取ったら、せめて見た目を整えることは最重要課題です。人生は若いもんが主役です。若いやつらが元気に世の中を引っ張っていかなくちゃならない。そのための子育てですからね。ただ、その若いやつらに覇気がない。それを何とかしなくちゃバトンを渡せませんからね。ですから私の出番です。

 95年にアカデミー脚本賞を獲った映画『パルプフィクション』で、ギャングの親分であるマーセラスが引退間近のボクサー、ブルース・ウィリスに、こう言ってイカサマを持ちかけるシーンがありました。
 「年を重ねりゃワインみたいになる、なんて言う奴ぁいる。だが、ただの酢になるってのがせいぜいだ。年を取って良いことなんざ、ありゃしねぇ」
 Motherfuckers who thought their ass would age like wine. If you mean it turns to vinegar, it does. If you mean it gets better with age, it don’t.

 私は鏡を見るまでもなく、今の年齢に、同じ年の頃の父にすごく似てきたことを感じます。しかし決定的に異なるのは内面です。私は父のような穏やかな人格者にはなれませんでしたし(なるつもりもなければ目指したこともありません。なぜなら私は私だからです)、聖人君子のような教育者にもなりませんでした(同じ理由ですね。私は群れを率いるシルバーバックのボスゴリラです)。
 外見のくたびれ具合はしょうがないとしても、活気がない存在は、そこにいるだけで疎まれるかもしれません。男性性を強く発揮したい男ならばなおさら、家って決して完全脱力できる場ではないかもしれませんよ。だって一家の大黒柱という存在ですよ。気張って過ごさないとね。
 家の中に古くて陰気臭いものがあると、それだけで鬱陶しくなります。ましてなんだか古びた匂いなど発生させようものなら家族は家から退避するでしょう。お父さんがリビングに出てくると家族が一斉に部屋に退避するとかね。それ、寂しいことですよね。
 あるいは「完全脱力したパパが好き」と思われるぐらい愛嬌を磨くか、どちらかだと私は思います。ちなみに私は両方を狙っています。

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信頼の指導47年 慶応幼稚舎・早実・慶応横浜初等部・小学校受験・中学受験・中等部受験に勝つ!

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