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連休明けの話題にはそぐわないかもしれませんが、珍妙な経験を思い出したのでメモを残します。2022年5月11日

 連休明けの話題にはそぐわないかもしれませんが、珍妙な経験を思い出したのでメモを残します。
 わが子が高校生ぐらいになりますと、親の心配が増えてくるものです。年頃の子どもは、未知のことや、どことなく悪の匂いがするものに興味を引かれがちですので。特に懸念されるのは違法薬物と関わることです。
 私の学生時代は情報雑誌の新刊がピークだった頃で、60年代のヒッピー文化が70年代以降に熟成し、整理された情報が入り始めた頃でした。当時の大事件として、80年に来日したポール・マッカートニーが、大麻所持で入国を拒否されたことがありました。サーファー文化も湘南で発展した頃ですから、とにかく葉っぱに興味を示す大学生、高校生はごまんといた時代です。今もかなぁ。

 ところが私は、(周りに愛好者もいたと思いますが)人生でその辺りには何ら関りをもつ機会がありませんでした。いや、ケムに巻いているわけじゃありません。私は喫煙もしませんし。
 「ケンジさんはナチュラルハイだから、クスリなんか全然いらないっすねえー」という、医師でかわいがっていた後輩の言葉を聞いて、あ、そうか、だから誘いの言葉すら聞いたことがないのかと思ったものです。

 ところがですね、そこで否定せずとも、私には猛烈な体験があるのです。それは私が小学4,5年生の時だったと思います。私は父と弟と三人で出かけた折、蕎麦屋のテーブルを囲んだ時のことでした。
 テーブルの上には朱塗りの箸入れやようじ入れが置かれ、歌舞伎の緞帳のように色分けされた塗りのひょうたんが置かれていました。家にもありますので、それが七味唐辛子入れであることは分かったのですが、その時の私はなぜか、ひょうたんの中の匂いを嗅ぎたいという衝動に突き動かされたのです。そして小さなひょうたんを手に取り、息を吸ったのですが、どうにも匂いを嗅ぎ分けられません。ですからひょうたんの口と私の鼻はどんどん距離を縮めました。そしてついにひょうたんの中身の正体を匂いで確認できた瞬間、吸い込んだ唐辛子がザーッと音を立てて、かなりの量が私の鼻に流れ込み、鼻腔の奥の粘膜に唐辛子がべったりと張りついたのです。それはもう、今も忘れ得ぬ衝撃で、その痛み苦しみを超える感触は未だ経験がありません。
 私はコップに注がれた水を指に浸し、鼻の穴の奥をなんとか洗い流そうと試みたのですが、そんなものは焼け鼻に水、程度の効果しかありません。見ていた父からは一言、「汚いからやめなさい」。
 と、そういった体験を人生のかなり早い時期でしていたものですから、長じて高校生、大学生になって、違法薬物に興味を示したり実際に行動を起こしたりする連中をはすに構えて睥睨し、「おまえらね、そんなくっだらないことやるぐらいなら、七味で一発キメてみろよ。ぶっ飛ぶなんてもんじゃないぞ。半端なことやるなんてカッコ悪いぞ」といった発言をしてきたのですが、実際に七味唐辛子を鼻で味わったという猛者は一人もいませんでした。子ども時分に「やったことある。あれ、痛いよなぁ」という経験は、子どもにとってスタンダードなことだと私は思っていたのですが。私の経験談は、人に聞かせる度に失笑を買うことになったので、長いこと封印しておりました。
 ところがその後、なにかの機会でその話を披露したところ、「わかる。あれ、すっごく痛いよね。もう鼻がもげるかと思った」という人物が現れ、私はようやく共感し分かち合える人が見つかった、と安堵したものです。ちなみにその人は現在、慶応会幼児英才教室で室長の任に就いております。
 おあとがよろしいようで。

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信頼の指導47年 慶応幼稚舎・早実・慶応横浜初等部・小学校受験・中学受験・中等部受験に勝つ!

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