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理事長通信

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2021年に東京で開催されたオリンピックは、開催時期や社会情勢や、その他何やかやで、かまびすしかったこともすでに記憶のかなたに消えつつあります。2022年2月23日

 2021年に東京で開催されたオリンピックは、開催時期や社会情勢や、その他何やかやで、かまびすしかったこともすでに記憶のかなたに消えつつあります。あの大騒動の総括はどうなったのか、オリンピックの意義やその存在そのものや、運営やその他の諸問題について、どのように締めくくるのか、まったくうやむやなままです。白黒はっきりさせないことが日本人の民族性かなぁ。

 数百万年もさかのぼることを考えれば、今現在ホモサピエンスとして地球上に存在する「ヒト」の前には、かなりの種類の淘汰されていった種がいました。現在のヒトに比べてはるかに体格の大きい種もいたようです。つまり力の強さや大きさだけが生存競争の結果ではない、ということです。現在、ヒトが生き残った主流な説は、「他種と比較して、個々の体格は優れた種ではなかったが、思考力が優れていた上に、共同して作業を行う意思の疎通力があったから」というものです。野生の一動物に過ぎなかった大昔のヒトであれ、力だけで生き残れたわけではないということですか。腕力、体力というのは一つの指標に過ぎないのですね。

 私は今回北京で開催されたオリンピックで深く感じたことがあります。女子フィギュアスケートは、スポーツを超えてその美しい演技の世界観に没入できそうな競技です。ただし競技である以上採点があり、優劣があります。
 私は今回、ドーピング問題を抱えたワリエワ選手が競技を終えたとき、ジャンプの着氷で何度も失敗をし、泣きながらリンクを下りた姿の後ろで、やはり大泣きをする選手が映っていました。今回銀メダリストとなったトルソワ選手です。赤い髪が特徴で、ラプンツェルに憧れて、結んだ髪を解くと腰よりも長い赤い髪が目を引く女子選手です。私は勝手な想像をして、同じコーチを持つ同門のワリエワ選手の演技が大きく乱れたことにショックを受けて泣いているのかと思いました。ところがあとで解説を聞くと、彼女の涙の理由はこうでした。
 「私は今回、世界最高難易度の4回転ジャンプを5回も演技で決めた。技術の向上を私は努力で極めた。それなのに私は過去3年間メジャー大会で金メダルを獲れない。他のロシアの選手はみな国際大会で金メダリストになったのに。最高の技術を獲得して4回転ジャンプを5回も成功させた私がなぜ今回も銀メダルなのか、私はアイススケートが大嫌い。二度とリンクに上がらない」ということでした。
 なるほど。私はフィギュアスケートという競技の採点方法を知りませんので、今回金メダルだったシェルバコワ選手と銀メダルのトルソワ選手の得点にどのような違いがあるのかがわかりません。しかし彼女の言い分はもっともだと感情は理解できます。採点競技というものは特段に採点者の主観が入りますから、その点も問題を複雑にしています(実際のところ、ショートプログラムでの得点が4位だったからだと思いますが)。
 要するに世界共通の統一基準となる価値を測る物差しは存在しない、としか言いようがありません。すべての人はその人の価値観で生きている、ということです。つづく

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