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理事長通信

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私はクエンティン・タランティーノという映画監督とその作品が好きです。2021年9月8日

 私はクエンティン・タランティーノという映画監督とその作品が好きです。映画監督でありながら、作品の中で役者としても登場し(しかもアルフレッド・ヒッチコックやブレーク・エドワーズのように影のように映っているわけではなく、相当な台詞量を駆使する俳優として)マスメディアへの露出も多い人物です。私は彼の人柄や発言や脚本に、昭和の落語家の姿を見るのです。荒唐無稽なドラマの展開や、眉をしかめるような表現の台詞(すごく面白いのですが、一応私の立場上)などが、古今亭志ん生の高座と重なるものを感じます。なにしろ「パルプフィクション」ではアカデミー脚本賞すら受賞していますから、彼独特の表現はただのお下劣ではないはずです。

 クエンティン・タランティーノのクエンティン・タランティーノたる所以は、彼が「ザ・モーメント」というトーク番組に出演した時のエピソードにも表れています。それは、「自分の夢をバカにした母親に、1ペニーの経済援助もしない」というものです。
 12歳の時、学校で課題として書いたシナリオが先生に酷評され、おまけに家では母親にさんざん批判されたそうです。彼は母親から、「あなたがしている小さな作家キャリア、その馬鹿げたことは終わり」と皮肉を込めて言い放たれたことに深く失望しました。そこで彼は母親にきっぱりと宣言したそうです。「もし僕が作家として成功しても、あんたには1ペニーも渡さないし、家も旅行もエルヴィス・プレスリーが乗るようなキャデラックも、なにひとつプレゼントしない」と。
 その誓いを今も守っているかという質問の答えは、「税金のことで援助した以外はね」というものでした。そして彼はこう締めくくっています。「わが子に向けた言葉にはその結果がある。子どもにとって大事な事に向けた皮肉な言葉は、好ましくない結果を招くということを覚えておくべきだ」と。

 これはですね、私がいつもいつもいつも、本当に絶えず意識しつつうまくいかないと反省していることなのです。読者のお父さま、お母さまも思い当たるフシはありませんか?
 もちろん、将来わが子からのリターンを得るために、日頃の態度に気をつけよう、なんてことじゃありませんよ。

 親にとって子どもの成長期で一番頭が痛いのは、わが子の「受験」でしょう。仮に付属校生だとしても、受験の心配はなくても、進級と進学に対する悩みは同じです。生活面の自堕落や脇道に逸れることは成績に直結しますからね。
 わが子を励ますために「頑張れ!」と声をかけようものなら「頑張ってるよ!」と声を荒らげた反撃に遭うでしょう。勉強の場でも仕事の場でも、目の前の課題に対して頑張るのはあたりまえのことですから。成果を上げられるかどうかにかかっていますから、頑張ってることを自慢したってなかなか評価は得られません。それをわが子はわかっているのでしょう。
 じゃあ、努力もせずにグータラしているわが子が目の前にいようものなら、なんと声をかけるべきでしょうかね?
 子どもは親から操作されることを嫌います。ところがやがて子を持つ親になると、かつて自分も子どもだったことを忘れ、わが子に親の願いを託そうとするものです。それがわが子を操作していると気づかずに。そこでわが子は「自分はありのままの姿では親に受け入れられない」と深層心理に刻むのですね。
 かと言って、親から見て、好ましくない方向に進もうとする(あるいは何もせずに停滞する)わが子を、そのままにしていいというわけではないでしょう。わが子を理解しながら、適切に助言することが大事なわけですね。一人として同じではない子どもに対して、その子の心を動かす言葉や態度が親として求められる、ということです。完全な個別対応で。
 それが、好ましくない方向に何としてもわが子を進ませまい、とする本心があったとしても、わが子にそこを悟らせたらダメ、ということですからね。わが子をありのままに受け止めることは、それ自体が親の修行です。

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信頼の指導47年 慶応幼稚舎・早実・慶応横浜初等部・小学校受験・中学受験・中等部受験に勝つ!

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