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理事長通信

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今回は私の推測に基づく与太話です。2021年5月12日

 今回は私の推測に基づく与太話です。
 母の日の朝のことでした。生家が行事の遂行には熱心な家でしたので、私はその精神を強く受け継いでおります。家人それぞれの誕生日の祝いは言わずもがな、親族の祥月命日やお盆、お彼岸など宗教祭祀ももちろん、輸入行事のクリスマスやバレンタインデーやホワイトデーなども行い、子どもが小さいうちはハロウィンなどの仮装イベントもやりました。ですから当然のように、母の日などは相応の盛り上がりをもって儀礼儀式が挙行されるわけです。おまけに妻には数日前より「頼んだよ」と念を押されております。
 そして当日の朝、私は中学生の娘と一緒に、表参道と青山通りが交差するあたりにある花屋に出かけました。日差しの強い、そして湿度が低い、今日を置いて他にないほど冴えわたる母の日の朝でした。
 母の日に寄せて選んだ花束とブーケが包み上がるのを待っていると、向こうから、初夏向きの色合いの、センスの良いシンプルな普段着で歩く女性が近づいて来ました。男の子を連れて。小学2年生ぐらいかな、少なくとも幼稚園児では絶対にないな、という男の子です。私が違和感を覚えたのは、男の子がお母さんの手をしっかりと握って歩いている姿です。お母さんは手を貸しているけれど、というのは筋肉の動きでわかるでしょ? この一点を見ても、この子はあんまり充実した日常生活を送っていなさそうだなぁ、受験していないだろうなぁ、日々の子育ても充実していなさそうだなぁと、感じさせてしまうのですよ。
 会員さんならば私の言わんとしていることはおわかりになりますね。好奇心旺盛に育てた男の子ならそういう姿や目つきではないです。少なくとも小学校に上がった子なら違うでしょ。休日の散歩でお母さんの手を放さずにどろんどろんと歩いている男の子が、どの程度の子かはわかるってものです。(炎上するかな? 別に好戦的な物言いをしているわけじゃないですが)
 おまけにですね、おまけ程度にその後ろを1mほど離れてついてくる男性がいます。年恰好からいって、この子のお父さんであり女性の夫でしょう。知的な、そして落ち着いて穏やかそうな40代の男性です。この近所にお住まいで散歩中、といういで立ちです。なによりも相応の要職に就いている人であろうな、と思わせる雰囲気を漂わせています。休日のお洒落、といったセンスは脇へ置き、ひたすら高度な専門分野の仕事に日頃は邁進していらっしゃる、そういった印象です。今日は母の日でもあるし、たまには3人での散歩につき合うかといった、どことなく他人任せな風情です。
 そして妻は、特別に華やいだお花屋さんの店先で足を止めました。その目は店先を飾る色とりどりの花、とりわけカーネーションをじっと見つめています。息子はどうでしょう? 立ち止まり、何かに気持ちを奪われている母に関心を持っているでしょうか? いいえ、そんな様子は見受けられません。ぼーーーーーっとした表情のまま立っています。言葉を発することもありません。1m後ろを歩いていた夫も、もちろん足を止めましたが、妻の目の先に何があるのか、一瞥もくれることがありません。あなたの妻は何を訴えているのでしょう? きみのお母さんは何を欲しているんだろうね? 
 女性の目は花屋の店先を、時間にして1分は漂っていたことでしょう。私は野放しの野次馬のように、その様子から目が離せませんでした。夫は気づくでしょうか? 夫は、そして息子は何か言葉を発するでしょうか? 妻は、そしてお母さんはどんな行動に出るのでしょうか? いいえ。何も変化は起きず、その人は目に失望の色を浮かべるですらなく、ただただ無感情、無表情のまま、花屋をあとにしました。「諦念」という言葉が私の胸に沈みました。
 野次馬の知性も馬ほどのものでしょうから、私は何ら語るべくもありません。ですが慶応会の会員さんには、とくに父上には、警告に近い物言いで、私は口中ph濃度を下げまくっていつもお伝えしている通りです。どこかの政治家が間違えた「他山の石」とはこういうことを言うのですよ。

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信頼の指導47年 慶応幼稚舎・早実・慶応横浜初等部・小学校受験・中学受験・中等部受験に勝つ!

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