私の仕事は会員さんのお父さま、お母さまと共に、わが子を「輝く子」に育てることです。2019年9月25日
私の仕事は会員さんのお父さま、お母さまと共に、わが子を「輝く子」に育てることです。そのためには具体的にどうすればいいのか? ひとつひとつのコーチングをしています。もはや高邁な学術的論理や高尚な哲学を越えた、純粋な意味で、「わが子が幸せな人生を送れるように」、その手助けをすることが私の仕事です。
そんなことを書くと、私の人格に、なにやら教育者的な「知徳の模範」や「気品の泉源」を求められそうで、はなはだ居心地が悪いです。
もっとも私は以前より、この通信でも、出版した拙著でも、自らに起きた事実の一部を開帳させていただいておりますので、私が優等生であったことなどかつて一度もなかった事は、会員さんやご父母、そして読者の方は先刻ご承知であると思います(学業が優秀だったことは一時期あるらしいことは、同窓会の席でだれかが歴史を掘り起こしたときに浸る不思議のひとつです)。
そうです。私は元々がいたずら坊主であり、幼少のみぎりより近所では知られた存在でしたし、幼稚園、学校で過ごした頃より現在に至るまで、本人はちゃんとやっているつもりだというのに、規格からはみ出していることをずっと指摘され続けてまいりました。先生という先生からは、さまざまに叱られてきました。先生という人は、それが生徒の面従腹背であることが明らかな状況であっても、水面が波立たないことを第一と考える人が多いですから、ものを申す私の存在は、時として厄介であり、煙たくもあり、なるべく関わり合いたくなかったかもしれません。
しかし今、先代理事長(その穏やかで優しく、全人格的な人柄はだれからも慕われていましたねぇ……遠い目)の後任として現れた私が、先代とはまったく違った形で子どもたち、特にやんちゃ坊主やきかん坊や、引っ込み思案の子や意地っ張りや、はにかみ屋さんや、その他さまざまに、ちょっとだけはみ出しちゃっている子からも慕っていただけるのは、私が元来困った子であったからです。
なんだかわからないけれど困っちゃった状態の子どものことがよく理解できるからです。それはご父母も同じ。社会的にきちんとした立場のお父さまも、子育てでは悩み、家庭に居場所がなかったり、孤立したりでお悩みです。
お母さまもワーキングマザーは仕事まで抱え、専業主婦も日々のルーティーンワークと子育てに加えて受験まで抱えてお悩みは尽きません。
どれほど優秀なお父さまもお母さまも、わが子の親になってからの実経験はわずか数年です。初めて起きたトラブルの対応に、そのつど完璧を期すことなど不可能です。しょうがないですよ。悪戦苦闘しながら、わが家にとっての正解を導き出すように神さまから宿題が降りて来ているのですから。
そんなみなさまの相談が聞けて、解決する案をひねり出せて、お役に少しは立てている実感が持てる私はとても幸せ者です。
だいたいね、私が絵に描いたような優等生だったとしたら、お母さまやお父さまが自ら恥を忍んで「理事長先生、ちょっとお時間宜しいでしょうか?」なんてお悩みをご開帳しにお越しになることなんてありませんよ。だって私が話をお聞きして、「そうか、そうなってしまったか。それは仕方ないな」と受け止めて、「じゃあ、こんなふうにやってみますか?」と、解決してあげなきゃ、救われないでしょ?
優等生の先生が言うみたいに、お悩みに対して「そんなことをしてしてしまったのですか? それはいけません。間違ったことです」なんて言下に否定されたりしたら、もういられないじゃないですか。
私はたぶん、相当数の失敗を多く積み重ねてきているように思います。失敗のミルフィーユが私です。そして、そこからなんとか這い上がってきた者です。だからちょっとだけ甘めですよ。救いの愛がありますからね。