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理事長通信

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2月は冷え込みが厳しい日がありましたね2019年3月6日

 2月は冷え込みが厳しい日がありましたね。それでもたまに、春を先取りしたような陽気で汗ばむ日もあります。いちごが美味しい季節でもありますね。

 先代理事長であった父は晩年、歩くことが困難になるまでは、決まって母と昼食に出かけたものでした。母は父の腕を取って、父は母の膝のかげんを気遣いながら、冬の散歩道をゆっくりと歩いているところをよく見かけました。父は食事に、ことのほかフルーツを好んでいましたので、昼食に出かける定番の店には千疋屋が入っており、注文するものはフルーツサンドイッチでした。
 父が歩くことをやめて以来、私が父の部屋を訪ねるときは、フルーツやケーキを持っていく機会が増えました。私は父のベッドの横で、父と並んで窓の外の景色を眺めながらケーキを食べるのが好きでした。家族が一緒に食卓を囲むことって、特別な意味がありますよね。

 父が慶応会を興したころ、私が小学5年、弟が2年の頃というのは、まさに起業家がエンジンをかけて駆け出した時ですので、父が仕事を軌道に乗せるために奮闘していた時期です。私の家族の一員としての役目は、授業後にすべての教室を回って掃除をして鍵をかけることでした。これがね、夜10時前後ですからね、怖いんですよ。あちこちのマンションの一室やビルの中に点在した小さな教室を回るっていうのが。夜は音が響くし、理由もなく闇は怖いですから。
 正直、プラモデルの制作に熱中しているときや、読みかけの本が佳境に入ろうとするときに、毎晩掃除とカギ閉めに出かけなくちゃいけない苦痛はけっこうありました。当時から私の教科における勉強は相当に疎かであったため、その障害になることはまったくありませんでしたが。それでも、私は家族の一員として役割を担っている誇りを持っていましたので、家でなんの手伝いもせずにこづかいだけもらっている級友には憐憫の情を持っていました。
 母は母で婦人服のオートクチュールのサロンを経営していましたので、今でいうワーキングマザーでした。たまの日曜日、早く仕事を終えた父が「夕食に出かけようか」というときのことを思い出します。私もよそ行きの服を着こんで(というより私の私服はすべて母のサロンで仕立てたオートクチュールでございましたので、普段着も現在の私より格段に洒落ておりました。私も『主婦の友』誌の子供服雑誌に、時おり登場していたことを思い出しました)気張って出かけたレストランよりも、近所の洋食屋やお好み焼き屋での光景が、より懐かしいです。思い浮かぶ映像の父も母も、時代を飛んでものすごく若く、その鮮明な映像に驚きます。あの頃ってもう戻らない。あの頃ってあったかい。記憶の中はとても居心地がいいです。家族が一緒であることが一番大事、ということですね。

 今どきにコンビニの棚をのぞくと、「あまおうサンド」なる高級サンドイッチを見ることがあります。晩年の父によく届けたものです。包みに2個入っていますので、分け合い、父に一つを渡すと、父は満面の笑みで口にしていつも言っておりました。「旨ぇねえ」これは落語好きだった父の、江戸前口調です。確かに父と食べたあまおうサンドは旨かったです。
 父に会いたいな、そう思ってコンビニをのぞいて、運が良ければあまおうサンドが手に入ります。父を思って過ごす時間は今もあったかです。
 家族が一緒に食卓を囲んで、今日のことを話し、お互いのようすに耳を傾け、今日も美味しい食事ができたことを喜び、あたりまえの今日を感謝し、そんな日々を積み重ねていくことが、人の心にひだを重ね、情を深めていくものだと思います。

 慶応会は今年で創業50周年を迎えます。会員さん、先生、スタッフ、みなさんのおかげで今日を迎えています。節目の記念になることをまた考えて実施させていただきます。

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