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理事長通信

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前回よりつづく  その立方体の小箱にはたぶん、男が精いっぱいの真心を込めたモノが入っているはずです。2018年12月19日

前回よりつづく
 その立方体の小箱にはたぶん、男が精いっぱいの真心を込めたモノが入っているはずです。小箱のふたを開けたら、男の心の輝きが辺りを照らすような、そんな大事なモノのはずです。その光は彼女の心の中を照らすことはできるのでしょうか? 彼女は笑顔を浮かべて彼の期待に応えたものの、たいして心では感応せず、ああおいしかったと男の心を飲み込んで、はらわたの栄養にする、ということはないでしょうか?
 私がそのように邪推するのは、目撃時刻が午後1時であるからです。もちろん3月14日、彼女には「夜の部」で会う、本当に大切な人がいるはずです(本命の彼氏とかナンバーワンとか言いますね)。そして今、私の目の前で顔を赤らめるほどに興奮気味の男は、平日の今日、たぶん会社には休みを申告してこの席を用意しているのでしょう。
 当然その男だって、3月14日という特別の「夜」をとっておきの店のディナーで過ごしたかったはずです。彼は弾む心で、彼女にその夜の約束を取り付けるために誘ったことでしょう。そして女性から、次のように申し渡されたのでしょう。
 「ごめんなさい。その日は夕方から父と会う約束が、前からあって・・・」とか、すごく申し訳なさそうに、眉のあたりに困惑の皺を寄せられて言われてたのでしょうね(こういう時の女性って、男を上手に丸め込む理由が1800個ほど瞬時に思い浮かぶそうです)。おまけに、「本当にごめんなさいね。バレンタインデーは父に感謝して一緒に過ごすのが、うちの習わしなのね」なんて言われて、「うん、この子はやっぱり家庭的な子で、家族で過ごす団欒を第一に考えられる子なんだ。結婚するなら絶対にこの子だな」なんて哀れな将来設計図を特大の模造紙(妄想紙?)に描いちゃったりするんですよねぇ。
 哀れな彼はそこでまたがんばって、「いいよ、気にしないで。家族を大事にするきみが好きだよ。でも、もしよかったら、昼でもいいからその日に時間を空けてくれないかな」とか彼女に上申して、なんとか今日のデートにこぎつけた、というのが実情ではないでしょうか。

 まぁ、見ているこちらが勝手に、うんざりしながら同情しているだけですから。本当のところはなにもわかりはしませんが。
 でも、同性として目の前で公開処刑されている男には(私が店を見渡すと、なんとなく事情を察知しているほかの客の、憐憫を浮かべた表情も見て取れます)、これ以上傷が深くならないようにしてやりたい、と思います。
 それがまた気の良さそうな顔をしているんですよ、その男が。純真で不器用で頭に血が上っちゃっていて、女性に怖い目に遭っていない男の標準的な顔をしているんです。助け舟でも漕ぎ出してやりたいところですが、大きなお世話なんですよねぇ。人は自分が信じたいことしか信じませんからねぇ。
 笑みをかみ殺す店長だって同じ気持ちだと思います(たぶん店長は職業柄、男女の心の機微については、その場の空気だけで読み取れる修行を積んでいるはずです)。
 「おいおい、目を覚ませよ。きみは『昼の部』の男なんだぞ。マチネだよ。それって、待っててねじゃないんだ。待ちね。きみがナンバーワンに繰り上がることはないんだよ」と嘆息を一つ。
 「もしも、彼女がいつか、ナンバーワンの男と別れる日が来たとしても、(大抵の場合は彼女がナンバーワンを入れ替えると思うけれど)新たに現れるナンバーワンがその席に座るんだ。きみじゃない。きみが繰り上がることはないんだよ。きみは永遠のナンバーツーかスリーのキープくんなんだよ」(悲惨な話 つづく)

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