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理事長通信

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前回よりつづく2  地下探検はおおいに盛り上がりました。2017年8月2日

前回よりつづく2
 地下探検はおおいに盛り上がりました。家庭科室の地下点検口に30人以上の子どもが潜り込み、ムカデの行列のように続いて進みます。私の後ろからは男子の歓声や女子の怖がる声が聞こえてきました。驚かせようとして「お化け―」と男子の声が響くと、女子の黄色い悲鳴が鳴り渡ります。
 一周終えた私は大いに満足し、点検口の下に辿り着くと、見上げたその先に見えたのは、クラスでたった一人、探検旅行に参加しなかった優等生の女の子(一緒に選ばれたもうひとりのクラス委員)と担任教師の怖い顔でした。
 首謀者である私はこっぴどく怒られたのですが、全員がトイレに連行され、上履きを洗わされました。そんな土埃なんか校庭に出てはたき落とせばすぐ落ちるのに、わざわざ洗ったら余計に汚れると進言すると、さらにこっぴどく怒られました。やれやれ、遊んだことはないのかね、この先生は、と思いましたね。
 だいたい先生がなんで怒ってるのか、なんで私が叱られるのか、私にはさっぱりわかりませんでした。なんで? みんな楽しんだんだよ。みんなを楽しませたんだよ。(確かに放課後の職員室に忍び込み、家庭科室のカギを盗み出したのが悪いことは認めますが。でも事前に断ったら許可が下りないでしょ? 大人がやめろということは大抵わかっていますからね)
 それだけでは済まず、私は校長室に連行され、再度校長からも叱られました。
 校長なら話が分かると思ったのですが。ちっこいことを問題にして、担任はともかく校長もちっこい人物だなぁ、と私は嘆息しきりでした。おまけに私は、この事の責任を取るという理由で、クラス委員をクビとなったのです。在任期間1週間でした。
 そんな、校長室に立たされたり、クラス委員を解任されたりするほどの悪事であるとは、いまだに承服しかねます。

 憤懣収まらぬ私は日曜日の午後に、仲の良かった友人のMくん宅で鬱憤を晴らしました。「僕はみんなに選ばれたんだから、みんながダメだ、というなら委員を辞める。でも先生が一方的に辞めさせるというのは話がおかしい」と。Mくんのお母さんは、そうねえ、と苦笑いで聞いていましたが、先ほどから縁側でぷちんぷちんと爪を切っていた音の主の呵々大笑が聞こえてきました。引き戸を開けて目が合うと、浴衣姿のMくんのお父さんです。笑い声が途切れ、大きな声が響きました「そりゃぁ、けんちゃんの言うことがまったく正しいな。民主主義の危機だぞ、それは」。
 私は援軍を得て、それだけで心が満ち足りたことを今でも鮮明に思い出せます。アンチ優等生でも悪ガキでも、たったひとりの味方がいれば、何とか心の安定を得て、踏みとどまっていられるものです。ちなみにMくんのお父さんは後年、とある大きな新聞社の社長になりました。
 だからね、わかる人にはわかるんです。器の大きい人は、大枠で理解できるのですね、子どもってそういうものですよと。私が、優等生なんかに先生は務まりません、という根拠はここです。優等生の先生には、ちょっとだけはみ出しちゃう子が、なんではみ出しちゃうのかがわからないんです。そんなもの、はみ出しちゃうからはみ出るのに決まってるじゃないですか。しょうがないんですよ。本人はちゃんとやっているつもりなんですから。
 でも、そういうことがわからないと、子どものことは理解できません。子どもって、そこを理解して味方になってあげないとついて来ませんよ。もちろん叱らなくちゃいけないことは山ほどありますが、このこととはベクトルの向きが違います。

 慶応会の教育哲学が素晴らしくて、多くの私立・国立の小学校の校長先生が、「是非、慶応会で育つ生徒さんをわが校でお迎えしたいです」と言ってくださる理由は、慶応会で学ぶ子が、子どもとして輝くように育つからです。学ぶときは特別に集中して学び、遊ぶときはワーっと弾けて遊ぶ、けじめとメリハリがある子だからです。
 今年も私の元で、輝く子がいっぱい育っていますよ。  連続2話おわり

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信頼の指導47年 慶応幼稚舎・早実・慶応横浜初等部・小学校受験・中学受験・中等部受験に勝つ!

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